「書けない」から脱出しよう
いろいろ感想文を書いてきましたが、やっぱりなかなか感想文を書くのは難しいですよ。
自分で選んだ本ならばまだマシなのですが、あらかじめ決められた本だと「どうしよー、どうしよー」と悩みに悩んで考えています。
読書感想文の難しいところってそこなのですよ。
何にも感じない本って少なからずあるじゃないですか。名作が必ずしも好きな本となるわけではないんですね。逆にかなりダメダメな本でもその人にとっては大切な本となることもあるわけです。
ただ、宿題なのでこればっかりはどうしようもない。
先生が「ぜひこの本は読んで欲しいんだ!」という本を課題にして感想文を出すことが多いのでね。
まあ確かにすばらしい本たちではあるんですが。必ずしも個人個人にとってよい本との出会いであるとは限らないのに。で、書くことが何もないって時にどうやって書くことを見つけるか、という個人的な技をここで伝授しようと思います。
▼書くために着目すること
課題図書の場合、みんなおんなじ様なことをつい書いてしまいます。
それならそれでよいのですが、30人ぐらいいっぺんに見る先生からすると退屈な作業となります。
しかしその中で変わったことを書けば、先生も「おやっ」と思いますよね。
これを狙うのです!
たとえば、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」
よく出る本ですが、この話は要するにエゴイズムの醜(みにく)さをテーマに書いているわけですが、またここで変な場所に着目します。仏様は「クモを殺さなかった」ことが良い事であるとして、悪人を助けるのですが、それは「人間は簡単にクモを殺す」ことを前提としているような気がしませんか?
なんか違和感がありますよね。
主人公の悪人は積極的に良いことをしたわけではなく「むやみやたらに命を奪うことは悪いことだなあ」なんて 思って蜘蛛を殺さなかっただけ。それって悪いことを「しなかっただけ」じゃんと言うことを書いてみたりしたら面白いんじゃないでしょうか。
▼「おもしろくない...」を感想文にしてみる
本を読んで「これって全然面白くない...何も感想文書くことがないよ!」という時もありますね。
そういうときはその気持ちをそのまま、感想文にしちゃってもいいのですよ。
以前、「老人と海」の感想文を書いたのですが、今読み直すとめちゃくちゃです。面白くなかったんですね、私としては。もちろん面白いと思っている人のほうが大多数なのですが、個人的にはあんまり興味がわかなかった。で、興味がわかなかった理由を感想文にしてしまえば良かったんですね。
その理由というと、まず主人公が「おじいさん」であること。私の生まれる前におじいさんが死んでしまったので興味がわかなかった。だから、おじいさんの気持ちに感情移入できなかったのです。
さらに、釣りとか魚とりとかまったく興味なし。スーパーに行けばお刺身などが並んでいる時代に生まれ育った私にはその面白さが伝わらなかった。でもそんな私ってすごく薄っぺらい人間かも。
......などなど、面白くなかった理由を探せばよいのです。他にもいろいろ見つかると思いますが。
そんな風に書いていって、最後に
「だからこの本は私にとっては面白くなかった。世の中で名作と言われる本が必ずしもその一人ひとりにとっては良い本であるとは限らないのではないだろうか。しかし、日々変わりゆく時代に流されていってしまうのは、なんとも悲しくも悔しい...。」
などと書き綴(つづ)るわけです。かなり生意気な感想文になると思いますが。でも、面白いことは面白いです。いかにもやる気のなさそうな文章を書くよりはいいんじゃないでしょうか。
先生に対してコビを売るような内容もよいですが、どうしても書けない時はケンカを売るような気持ちで書いても面白いと思います。「成績や内心が気になる」という人はともかく、とりあえず感想文を完成させたほうがマシというひとは、大人とケンカする勇気を持ってみましょう。
そうすれば新たなる境地に達するかも!